RAEとは

アルゼンチン国営放送 R.N.A.-Radio Nacional Argentinaの海外向け部門で、正式局名はRadiodifusion Argentina al Exterior、略

して R.A.E. です。放送では 「アール・エー・イー」、あるいは「ラエ」とアナウンスしています。

南北アメリカ、ヨーロッパ・北アフリカ、極東(日本)に向けて、スペイン語、ポルトガル語、英語、フランス語、 ドイツ語、イタリア語、そして日本語で放送しています。 かつては、アラビア語放送(注1)やオランダ語放送もありました。

 

使用周波数は、6060kHz(LRA31)、9690kHz(LRA32)、11710kHz(LRA35)、15345kHz(LRA33)の4波が登録されており、長らく

変わっていません(注2) 送信出力はWRTHによると、30kW、50kW、100kWのいずれかとなっています(注3)

日本語放送では、「出力50kWでお送りしています」と開始時にアナウンスしています。スタッフは、各言語2ないし3名

(注4)です。放送は原則として生放送(注5)となっています。


短波帯という性質上、また日本から最も遠いという地理的要因もあり、放送すべてを受信することは難しい状況です。季節により受信できる時間や周波数も少しずつ異なります。また、同じ、あるいは隣り(5kHz上下)の周波数に近隣諸国などから強力な電波の放送が出ている場合、混信で受信困難となることもあり ます。

 

RAEは、毎週月曜日から金曜日の日本時間(以下、同様)18:00-23:00(19:00-20:00が日本向け日本語放送)と、火曜日~土曜日3:00-13:00(10:00-11:00がアメリカ向け日本語放送)に放送しています。RAEの放送が無い土曜日・日曜日(現地時間、日本では日曜日・月曜日)にはスケジュールを変えて、在外アルゼンチン人に向けて国内向けRNA を中継しています。(平日にも、国内向け番組を中継している時間帯があります)


受信の目安ですが、夏は18:00-21:00と3:00-7:00、冬は18:00-20:00(特に18時台)と 6:00-8:00でしょうか。アルゼンチンは日本のほぼ真裏ということもあり、対蹠店効果(注6)が期待できます。昼間の12時台に受信できたこともあります。

 

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 (注1)
開始音楽に乗せて8ヶ国語による局名アナウンスが流されており、その中にアラビア語アナウンスもあります。 しかし、現在アラビア語では放送していません。これは、アラビア語を話すスタッフを現地(ブエノスアイレス)で採用できないためで、一応「放送休止」の形 を採っています。廃止となると、海外向け放送の予算が削られることもあり、休止の状態を続けているという内部事情があるためです。

※ 当時の日本語放送責任者であった高木一臣氏が2000年に一時帰国された際、管理人が日本BCL連盟の事務所(東京都)

  で、同氏より直接伺った話です。

 

   (注1補足

フォークランド紛争(マルビナス戦争)を境に、大幅なスケジュール変更があり、その時にアラビア語放送が加わったようで

す。(参考:『DX年鑑83年版』、日本BCL連盟発行)

アラビア語放送ですが、同局発行のスケジュール表によると、1997年9月6日迄有効分には記載がありますが、1998年3月8日

から有効のものには載っていません。よって、1997年秋~1998年春に休止になったと推測されます。(当サイトの「各種資

料」をご覧ください)

 

   (注2)

周波数の後の( )内は、コールサインです。アナウンスされることはありません。

 

(注3)

年度によって、違いがあります。参考までに、いくつか記しておきます。

・WRTH1978年版によると、

  6060kHz(国内向け50kW)、9690kHz (海外向け100kW)、11710kHz(海外向け100kW)、15345kHz(国内向け50kW)

・WRTH2010年版によると、

  6060kHz(国内向け30kW、海外向け50or100kW)、

        9690kHz 、11710kHz、15345kHzの3波は、海外向け50or100kW

 

送信方向は、WRTH1978年版によると次の通りです。

 欧州向け(35°)、北米西部・ラテンアメリカ・アジア向け(320°)、北米東部・ラテンアメリカ向け(350°)

  

(注4)
日本語放送責任者は、マルセロ・カルバジャルさんです。他に、アナウンサーとして、植田敬子さんがいます。

 

(注4補足)
19時からの放送は、植田さんがアナウンス担当。10時からの放送は、カルバジャルさんがアナウンスを担当されています。RAEのホームページ上(2010/04/08現在)にも、そのことが記載されています。

 

(注5)
かつての日本語放送では、アナウンサーがスタジオ入りできなかった場合、あらかじめ録音してある番組を放送するようにしていたとのことです。
※ 当時の日本語放送責任者であった高木氏が2000年に一時帰国された際、管理人が同氏より直接伺った話です。

 

(注5補足)
現在(2010年4月時点)でも、上記のような措置が採られているようです。録音番組が流されているのを、実際に聴いたこと

があります。

 

(注6)
地球上の全く反対の点(対蹠点)には無数の伝播経路が存在するため、電波伝播が起こりやすくなる現象。条件によってはほぼ1日中、無線通信が可能。日本の対蹠点はアルゼンチンおよびウルグアイ付近。

 

 引用:電波伝搬 フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
    http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9B%BB%E6%B3%A2%E4%BC%9D%E6%92%AD